ベトナムの年末年始
日本のクリスマスから正月にかけての雰囲気がたまらなく好きだ。
特にたまらなく好きなのが、年末に流れる川崎大師のCMだ。
ベトナムにももちろんクリスマスも年末もイベントはあるのだが、汗をかく暑さなのでムードもへったくれもない。
ベトナムは1月末に旧正月を祝うスタイルの国なので、
1月1日の0時に花火が上がる以外は、特段煌びやかなムードもない。
これほどまでに正月を迎えることに頓着しなかったのは、新卒で入った会社以来である。
販売業だったため年末年始はまさに掻き入れどきで、クリスマスは彼女のいなそうな大学生のボーイたちに付け入り、また年末年始はパートタイマーのおばちゃんたちにもしつこく懇願して、出勤を依頼していたのも良い思い出だ。
ところで、今日から新しいクラスになった。
前回のクラスから1段階レベルが上がるのだが、11人いたクラスメイトのなかでも特に優秀な人達は更にもう1ランク上のクラスに行ったため、
私と、ヨンホと、ソンホの3人だけ同じクラスになる。
ただしクラスの必要最低人員は5人と決まっているので、ニューカマーが少なくとも2人以上いるわけだ。
新しいクラスは5人だった。
ギリギリじゃないか。
1人はこれまた韓国人のウックくん。25歳男性。英語はネイティブなみ。
もう1人はカナダ人の白髪混じりのジェントルマン、ダンカンさん。
今回は気持ち的に余裕があったこともあり、ウックくんにもダンカンさんにも私から話しかけてみた。
昔からの癖なのだが、一つの空間の中に盛り上がってる場所と無言の場所が二つ存在するのが苦手で、どちらか一方に絞りたくなってしまう。
今回はヨンホとソンホがよく喋るので、たまらず2人も加えたくなった。
ウックくんは父親がベトナムで工場を経営しており、もうすでにこちらに4年住んでいる。
今日一日見た感じ、さすがベトナム語の発音もキレイである。
ベトナムに来る前にすでに英語を猛勉強しており、そのことについてゴニョゴニョ説明してくれたが、リスニングが追いつかなかったのでこちら側の都合により紹介は割愛する。
ダンカンさんはこちらでベトナム人相手に英語の先生をしているらしい。
小さい子を対象とすることがメインらしいが、もう3年以上こちらで働いていると言う。
そして彼は、私がもつ欧米圏の人々のイメージを覆すくらい、日本人的な腰の低さを持つおじさんだった。
まず愛想笑いがとても多い。
理解していようとしていなかろうと、ハハ、と力なく笑う。
そしてsorryと謝る頻度も、英語がとても不得意な日本人から発されるsorryの回数と同じくらい多い。
でもこの要素は決してマイナスの意味ではなく、穏やかで優しそうで、彼の誰からも好かれそうな雰囲気を形成していると思う。
ちなみにヨンホとソンホは誰?
と思われる方に簡単に説明しよう。
ヨンホは私が先月の一番初めに仲良くなった日本語ペラペラの韓国人。35歳男性。
ソンホは彼女が(韓国語ペラペラな)ベトナム人で、おそらくこっちで結婚するつもりの34歳男性。ちなみに無職だ。
ソンホは英語もベトナム語も同じくらい話せないけれど、とにかく明るくムードメーカーなので皆んなに愛されている。
海外で楽しめる人間とはこういう人だなと尊敬の念を持っているのも事実だ。
今日はダンカンさんの圧倒的な劣等生度合いが目立ったが、仕事をしながらのベトナム語勉強なので多少の恩赦を与えるべきだろうか。
どうか明日までにしっかりと復習してくれることを願う。
このメンバーでどんな1ヶ月になるか楽しみである。
日々の備忘録を続けていこうと思う。