■遠くて無力■
だいぶ間が空いてしまった!
先日ブログを書こうとした時、ちょうど台風が日本に甚大な被害をもたらした。
呑気に誰の為でもないネタを書こうとしていた自分が虚しくなってブログが書きづらくなってしまったのが本音だ。
台風が迫った当日、私の実家も河川の氾濫が恐れられた区域だったので、方々から「実家は大丈夫か?」という連絡をいただいた。
心配をして家族LINEに電話をすると電波が悪い。
海外電話に切り替えても繋がらず、何度も掛け直してやっとの思いで繋がった電話で父が途切れ途切れに喋っている。
「避難勧告が出た…//...避難しようかどうしようか迷っている…」
雑音の隙間でその言葉だけ聞き取れた。
家族は揃った状態なのか?今家の周りはどうなっているのか?
いろんなことが頭を駆け巡ったが、
「とにかく避難所へ今すぐ行って」
とだけ何度も伝えてLINEに切り替える。
兄に電話をするとすぐに繋がったのだが、肝心の兄が出ない。
ただ、水の動く音だけがこちらに聞こえて来たのだ。
青ざめる。
もしかしてすでに浸水し始めているのだろうか?
泣きそうなくらいの不安が襲ってきて、最近見た他県の河川氾濫時のドキュメンタリー番組が頭をよぎる。
一瞬の判断ミスが生死に直結するんだ。
その番組から学び取ったことだった。
LINEを送り、携帯を何度も確かめるが、なかなか既読にならない。
今までなら何か起きてもすぐに駆けつけられることが当然だったが、
「もうそうもいかないのだ」という事実が突きつけられた気分だった。
結局、私との電話の直後、家族全員で避難所へ向かい始めたようで
1時間後くらいに避難所での写真が送られてきた。
非日常の空間に辿り着き少しの安堵感も生まれたのか、疲れた顔の中にも笑顔があった。
そして先ほど兄の電話から聞こえてきた水の音は、避難に向けて洗面所で髪の毛を整えている音だったようだ。
行動の優先順位が違うだろうと思いつつも、ホッとしてじわじわくる。
母に至ってはおにぎりをこさえてから避難したらしい。
裸の大将も顔負けの準備である。
そこから毎日ニュースを見ては、まだまだ終わることのない日本の被害状況を眺め、
ホーチミンで息をしてるだけのような自分が余計にふがいなく思えた。
ボランティアに行こうかとも考えたり、
いや思いつきで行っては逆に迷惑がかかると色々調べたり、
結局自分に今すぐできるのは募金くらいかと各募金に募金したりしている。
今週も千葉県を再び大きな台風が襲った。
まだまだ終わりは来ない。
次は大震災もあるかもしれない。
防災時の連絡方法をしっかりと確保しないと、と強く思うのだった。
ホーチミンから成田までは片道6時間ほど。
さほど遠くないと思っていたけれど、それは好きなように出入りできる環境があってこそ。
国境は考えるより遥かに大きい障害だったのだ。
これからの日本の自然災害が心配である。