VoChiMinh’s blog

決して煌びやかではないホーチミン駐在妻の日々のつぶやき

■速報 1ヶ月経過 青天の霹靂■

最近このブログを読んでくださっているごく希少な親愛なる読者様から

以前お勧めさせていただいた「ブンチャー」を食べてみたいというお声をいただく。

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まず始めに言っておきたい。

あれはブンチャーではない。

繰り返します。

あれはブンチャーではない。

 

これが今日の日記の主文である。

そしてサブタイトルをつけるのであれば

〜情報を鵜呑みにするな 所詮私はまだ素人だ〜

 

 

10月5日でホーチミンにきて1ヶ月。

友人もでき始め、一人の時間も少しずつ生産性のあるものに変えられた。

まだまだ理想はあるけれど、それなりに軌道に乗ってきたように思う。

 

そんな日曜日、旦那様の部活仲間の女性と2人で美容院に行き、その後予約必須のおしゃれ店でランチをした。

こちらへ来て初めて、いかにも、な1日を過ごしたかもしれない。

 

もちろん食べたいのはブンチャー。*1

ちょうど隣のベトナム人男性がブンチャーを食べ終わったところで、

私が一番最初に食べた上記の写真のようなまぜそば型のブンチャーだったので、嬉々として指差しながら

「私、あれにします!最近ブンチャー食べ歩いて汚美味い店を研究してるんすよ〜」

と言う。

 

そう、私はここ1週間、ローカルの安くて美味しいブンチャー専門店を巡っていたのだ。

私を良く知る人はわかるかもしれないが、私は一度ハマると集中的にやりこむ癖がある。

例えば、ハマった映画は大体4〜5回は続けてみる。

カモメ食堂は6回

シン・ゴジラは5回

菅田将暉版のセトウツミは4回

最近やってたアラジンは5回

 

今回もブンチャーへの探求熱が急上昇し、毎日11時前後にはブンチャーとタピオカで頭がいっぱいになっていた。

お散歩がてら1時間以上歩き回ることを続け、

ブンチャー食べるならここ!という自分なりのお気に入りを見つけることもできたし、

もちろん「汚い」が「美味い」を超えられない店に当たってしまうこともあった。

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だがどのブンチャーも、初日の観光客向けのお店で食べた『まぜそば型』のブンチャーの衝撃を超えてこない。

そもそもまぜそば型に巡り合わない。

全部オーソドックスなつけ麺型だ。

観光向けのお店は綺麗で高いから、見た目も華やかにアレンジされていただけなのか。

まだまだ旅は長いなぁと思っていた矢先のことだった。

 

 

『あ、これブンチャーじゃないよ』

「あい?」

 

青天の霹靂である。

私にとっては事件事故の部類だ。

ヒヤリ・ハットだ。

 

「ブンチャーじゃない…?」

『うん、なんつったっけなーブンチッ…ブンチッ…』

 

bún thịt nướng

彼の名前だった。

発音的には「ブン ティッ ヌゥォン」。

 

初めまして。ブンティッヌゥォン。

こんにちは。ブンティッヌゥォン。

 

私が今まで食べていたものは何だったんだ…

いや、あれはブンチャーだ。

ただ、初日に食べて戦慄が走ったまぜそばは、彼だった。

ブンティッヌゥォン。

 

そもそも全く異なるものを勘違いしてしまった理由がもはやわからないが、

解釈の仕方を誤った私は、完全にベトナム素人だった。

まぜそばのことを「ツケメン オイシイ」と言いふらしているホーチミンのalienである。

 

みんな、ごめん。

でもブンティッヌゥォン、本当に美味しい。

 

今日の店のブンティッヌゥォンは前回を超えた。

豚の味付けが絶妙だし、揚げ春巻きもサイズと歯ごたえがちょうど良い。

心の中で何度も彼の名前を呼ぶ。

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友人女性が半量を残す中ペロッと一皿たいらげた私は、来週はより良い研究が出来そうな気がしてきた。

 

 

ちなみに、つけ麺のブンチャーの研究秘話だが、

ネットで美味しいと取り上げられてる店にいくつか行ってみたところ、「キレイで美味しい」と謳われている有名店が私の中では一番アウトだった。

常に数十匹の小バエと、強めのナンプラーの香りの中で食事をする。

私はハエが止まった料理もそんなに気にならない方だが、量で圧倒されると話が違う。

今ホットなラグビーの解説者の言葉を借りるなら、『数的優位』だ。

小バエのスクラムを右目の端に見ながら、店員が料理の皿を運んでくるたびに崩れて飛び散る小柄な選手たちを首だけでスッスッとかわす。

麺をすすっているうちに再びスクラムを組み直す選手から目が離せない。

美味しいは美味しい。

土曜日なこともあり、ひっきりなしに客が入ってくる。

本当に観光客はおらず、地元のオバチャンたちや大家族が大きな声で楽しそうに喋っている。

間の空席で女の子がつまんなそうに座っているなと眺めていたら店員だったりもした。

ただ、何回もトライを決められてた私は急いで食事を済ませ店を出てしまった。

「まだまだだな…」

自分の力不足を痛感する。

 

ネットの情報も結局は個人の嗜好。

自分の目で判断する以外はないな、と思う。

ただこれだけは言える。

これからホーチミンに観光に来る人には

『ブンティッヌゥォン』

これを勧めたい。

 

 

*1:ブンチャーの話

 

vochiminh.hatenablog.com